電撃レビュアーのときメモ回想記 コピペ
天外魔境2のプログラマで知られる岩崎啓眞氏のブログより。
攻略者の視点ってのが個人的に面白かったのでメモ。
僕は気を取り直し、ノートパソコンを引っ張り出してマルチプラン(表計算ソフト)を立ちあげた。
当時、パラメータゲームの攻略にはマルチプランは必須ソフトだった。
パラメータゲームは、様々な種類のキャラクタを育てるコマンドを実行することで、様々なパラメータが上下し、それに応じてイベントやエンディングが変化するのが特徴だ。言い換えるなら、狙ったエンディングに到達するためには、パラメータ操作を自由にこなせることが重要になる。
そのため、まず最初に全てのコマンドを数回試し、パラメータの変動がどれくらいあるかを確かめ(パラメータの変動には乱数が入れてあるので、数回調査して変動幅をチェックするのが重要)、マルチプランに入力しておく。
そうすれば、プレイするときにパラメータ変化をシミュレーションすることが可能になるので比較的簡単に自分の思いのままのキャラクタを作ることが出来るわけだ。
調べた結果は異様だった。
どのコマンドを実行しても、ほとんどパラメータは下がらない。ゲーム内時間で3年もプレイすれば、サルでもスーパーマンになれるのは間違いなしだった。
幼なじみの藤崎詩織を落とすために自分を鍛えるゲームのはずなのに「どのようにパラメータを上げるか」の戦略を組み立てるパラメータゲームとしては完全に破綻しているのは明らかだった。
「なんてワケのわからないゲームだ」
僕は思わず独り言をつぶやいた。